黒王軍の南進が始まり、敗残兵は南のオルテへ向かうようになりました。
前回の55話では、そんな黒王軍の南進の様子に加え、廃棄物側の各キャラクターの心境がチラホラと書かれていました。
さらに菅野直は山口多聞と対面するのでした。
というのが55話のあらすじでした。
では、ドリフターズ 第56話 追ってけ 追ってけ ネタバレと感想、いってみましょう!
== 第56話 あらすじ(ネタバレあり) ==
菅野直とスキピオは山口多聞のいる空母「飛龍」を訪れ、菅野は装備や燃料を確認します。
そして多聞は紀元前にあったポエニ戦争のスキピオがいることに驚き、スキピオは多聞たちが2000年も未来の人間たちであることに驚きます。
ですが、スキピオは多聞に2000年で起きた軍事的出来事などを教えてほしいと頼み、2000年を追いついてみせると宣言します。
一方、ハンニバルや与一と毎日町をブラブラしている豊久は知ってか知らずか、町の人々の警戒心をほぐしドリフターズへの信頼?を得ていたのでした。
そんな豊久たちのいるオルテ帝都に西からも北からも敗残兵だけでなく大量の流民がやってこようとしていました。
== 感想 ==
待ちに待った菅野直と山口多聞の接触。
航空母艦「飛龍」にやってきた菅野は、飛龍に残った戦闘機や弾薬、燃料の有無を多聞に確認します。
うんうん、たしかにここで代わりの機体が何機かあるとか、武器や弾薬、燃料はどれだけある、ということは今後の戦いを進めていく上で重要極まりないですからね。
しかし、戦闘機は全てが損傷機でまともな機体は一つもないとのこと、とはいえ、生きているパーツを寄せ集めれば、菅野が乗ってきた戦闘機の故障箇所を直すための部品にはなりそうです。
そして、弾薬や燃料もいくらかはあるということなので、長期戦にさえならなければ、戦力としては十分ではないかと予想されます。
そして、多聞が正体の分からないスキピオに対して誰かと尋ねると、スキピオ・アフリカヌスであることを名乗るスキピオ。
そこで、多聞がポエニ戦争のスキピオか?、と驚きます。
ポエニ戦争とは・・・紀元前264年から紀元前146年の間に3度、行われた戦争で、スキピオやハンニバルが活躍したのは紀元前219年から紀元前201年の約18年間に行われた第二次ポエニ戦争となります。
カルタゴ側のハンニバル、ローマ側のスキピオ、という図式で戦いが行われ、紀元前202年のザマの戦いでスキピオがハンニバルに勝利しカルタゴが敗れる、というのが第二次ポエニ戦争の概要です。
ということで、ハンニバルとスキピオは宿命のライバル、やれローマ滅ぼすとかカルタゴ潰すとか言い合っているわけです。
ハンニバルはスキピオに敗れるまでは無敗だったという噂もあり、そんなハンニバルを超えたスキピオもまた、かなりの実力を秘めた人物であることが伺えます。
そして勉強が得意でハンニバルにも追いついたというスキピオは、多聞にこの2000年にあった様々なことを教えてほしいと願い出ます。
軍事的出来事、技術や武器、思考や思想、戦術や革新、多聞の知っている限りを教えてほしいと言うのです。
そして、それを知って今後に活かしていこうという超前向きな姿勢は、黒王軍の脅威を肌で感じているからこそなのでしょう。
北壁で黒王軍の戦いを垣間見ていますからね、何とか奴らに勝とうと知恵を働かせてくれることが期待されます!
オルテ帝都は、グ=ビンネンとの和平のおかげで食料が市民に行き渡るようになり、つかの間ではありますが穏やかな空気に包まれます。
食物があれば、食べていけるあてがあれば人間、気持ちも落ち着くというものですからね。
ホント食べ物って大事(笑)
さらに豊久と与一、ハンニバルが町をフラフラしているのを市民は見ていて、それまではドリフターズは怖い人たち、みたいなイメージが変わってきているとのこと。
そりゃあ、怖い人らしいという噂の人が町をフラフラして、しかもハンニバルのようなおじいちゃんや与一のような美少年を連れて歩いていれば、「あれ?、噂のような怖い人じゃないのかも?」と見方を改めるのも当然と言えます。
「俺ってそんな風に見られてたの?」みたいな印象を持たれている人は、素のままの自分を見せるとイメチェンに役立つのかもしれませんね。
そんな豊久の行動や性格を信長とサンジェルミがあーだこーだと話し込みます。
そんな自分の行動の効果を理解してフラフラしているのか?、それとも分かっていないバカなのか?、と。
誰しもありますよね、計算つくしての行動ではなくなんか勝手にそういう効果が現れた、みたいなもの。
優しくしているつもりはないが優しいと思われる、とか、真剣にやっているのにオモシロく受け止められている、とか。
計算づくしより、そういうほうがなんか好感もてるからいいのかな、って思いますがどうですか?
そんな、素の豊久はとにかく戦場こそが己の生きる場所で敵の首を取ることが生きた証と言わんばかりに戦うことにこだわります。
そして、一歩間違うとすぐに死んでしまうのではという危うさがあり、それを分かっていて戦う豊久に対して、周りは「何かしてやらないとどうなってしまうんだろう」という気持ちになり、自然と豊久を応援する、何かしてあげるようになるのです。
信長やサンジェルミ、オルミーヌや他の仲間たちも同様のようですね。
そんな感じで他のドリフターズたちも、豊久を中心にまとまるのかもしれませんね。
そんな話をしている信長とサンジェルミのところに、エルフのシャラが西からの敗残兵が続々と来ていることを知らせに来ました。
信長の予定通り、西の第三軍と第四軍は疲弊し信長たちのいる帝都に戻ってきたわけです。
これで、自分たちの指揮権の下で兵として扱うことが可能になるので、結果、自分たちの兵が増えるという作戦、見事に成功ですね。
サンジェルミが人間の兵は人間だけで再編成で良いのかと信長に確認し、信長は「エルフ、ドワーフたちとは完全に分ける」と言い切ります。
みんな仲良く世界を救おう、などと連合部隊などにはしないという話になったところで豊久が戻り、過去に遺恨がある者同士が簡単に団結など出来ないことを説きます。
現代社会にもめっちゃ通じますね。
未だに宗教戦争とか過去の歴史においてあーだこーだとか言っている人や国、いますもんね。
やれやれですよ。
そんな豊久に対して、バカじゃないところを感じる信長とサンジェルミが笑えます。
バカじゃないだろ?、バカじゃないわね、とやり取りする二人を見て「誰がバカかー!!」と怒る豊久、それを見て、「うわー バカだー バカが怒ったー!」と騒ぐ信長とサンジェルミ、あんたら、面白すぎです(笑)